2009/04/18

闇の子供たち

ヤンソギル原作の闇の子供たちをみる。去年の夏に公開されたのかな。
色んな意味で記憶に残る映画だった。

臓器売買のために生きたまま手術台に運ばれることになるタイの子供達。
その実態を暴くために新聞記者やNGOが奔走するという話ですが、我が子を救いたい一心から人身売買組織の存在に眼をつぶってお金を払う日本人夫婦や、幼児性愛者の存在など色々からんでくる。

主演の江口洋介が熱演。同僚役の豊原功補や我が子を救うために苦悩する佐藤浩市などいい味だしています。しかしNGOにて自分探し役の宮﨑あおいが演じている女性のバカ女っぷりにあまりにも腹立ちすぎて、江口洋介とかの気迫の演技も薄む。つまりは宮﨑あおいはやっぱり演技上手なのかもしれませんが、あんな綺麗ごとばかり言って感情的になった人に捜査の邪魔なんてされてしまった日には、ストレスたまりまくりです。後ろで鉄砲パンパンなっている状況で、”私は自分に謝ったりしない!”(だったかな?)などと御託を並べている女性がいたら横っ面張りたくなるかも。

話の流れもところどころ突っ込みたくなるところ沢山でしたが(L.A Confidentialばりの裏切り、かつ銃撃シーンとか、ボランティア団体の男性の機転の利かなさとか。聞き込みするなら、あんなあからさまに聞かず、bed time storyとして引き出すのが普通です)、子供達の熱演でカバー。邦画ってどうしても子供使うのが下手なケースが多いのが印象にあるけれど(地雷を踏んだらさようなら、の子供達とかね)、今回のAIDS役の女の子の床の這いっぷりとか貞子並みに凄かった!北島マヤの演じた足の不自由な女の子のシーンを思い出したのは私だけでしょうか。

監督の熱の入れ方も結構なシーンにみれました。タイの子供達が受けている悲惨な現状を伝えるためか、子供達を暴行したりかなり赤裸裸なシーンも出てきます。あのpedophileという屈辱的な役はAV男優たちが演じているのかな。結構辛い役です。
幼児性愛者を演じている日本人役についても、本当にこういう世界が存在するんだろうな、と思うと薄気味悪くなり、果たして東京歩いている人たちのどのくらいがこの類いに属するのか、端から判断できないのが恐ろしい。

海外では日本のように、高校生などの未成年の買春はあまりニュースになることはなく、これはもう彼らが自分で物事を判断できるくらいの歳であるとして、自己責任の意味合いも強いからかな、と想像します。そのかわり幼児性愛者については、抵抗できない弱い者を相手にした犯罪者として徹底的に対応。確か警察だかのサイトにいけばそれらの犯罪者とかの顔写真はチェックできるようになっているし、ネットワーク摘発とかもそういうサイトがターゲットになることが多い。pedophileは基本的に病気の部分が強いと思われる(そういった意味でこの映画の最後のシーンは考えさせられた)。だから再発されることを考えればこれくらいの対応が適当なのでしょう。

個人的には、自分が逮捕されながらも、自分自身も被害者であったドライバー役のざまぁみろ、といった表情が印象的だったかな。

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