2014/10/29

Baby goods

この1月に子供を産んで、初めての子育てだから比較も何もないのだけれど、それでも子育てグッズもどんどん進化しているなぁ~、と感じさせられる。

まずキューブ型粉ミルク。
キューブになっているから携帯が楽ちんで、お湯さえあればどこででもあげられる。
1cubeで40mlと計測しやすく、計量スプーンとかですりきり何杯というように測らなくていいから、粉が散らなくて便利。もちろん通常の粉ミルクよりは少しは割高なのだけれど。

他にはベビーフード。
昔はベビーフードと言えば、映画「トップレディは赤ちゃんがお好き」に出てくるようなすりおろしリンゴやレバーペーストが瓶詰になったものだけのような印象があったのだけど、この頃はフリーズドライだの、細かくカット済みの冷凍豆腐があったり。瓶詰めだと開けるとすぐ痛みそうな気もしてしまうのだけれど、冷凍やフリーズドライは保存も簡単。フリーズドライは携帯もしやすいので旅行中でも気軽に持っていけるのが有り難かった。

抱っこひもも進化。親が言うには、昔はおんぶひもみたいなのしかなかったのよ、ということだけれど。腰痛とかひどかっただろうなあ。
抱っこ紐もいろんな種類が出ているけれど、お気に入りは、らくーな本舗というところの「だくーの」という製品。
布だけでできたコンパクトな製品で、ベルトもバックルもないので、折りたたんで小さくまとめられ、どこにでも持って行けるのが有難い。色も結構選択肢があり、落ち着いた感じのいい色が多い。
作りはシンプルそうだけど、しっかりしている。人体力学的なポイントも押さえられているのか、重い赤ちゃんを抱っこしても、ひもが背中でクロスして赤ちゃんを しっかり固定して、重さも肩の部分でうまく分散してくれるから辛くない。締め付ける感覚がないのか、また、親とぴったり身体をくっつけられるのがいいのか、9キロにもなった娘も結構好きなようで、この抱っこひもに収まって15分も歩いていれば寝てくれることが多い。首を支える機能はないので、寝ると常に首を支えてあげなくてはいけないのがちょっと難ではあるのだけどね。
着脱も便利でおしゃれだし,いつかこれのおんぶ版もできて欲しい。そうすると家事がしやすそう。

また子供を抱っこしたままかぶれる防寒具peekaruもかなり重宝。
フリース生地のジャケットで,子供と一緒に親もかぶってしまうという防寒具なのだけど、子供の頭が出るよう穴が開いているので、息も苦しくなさそうだし、お互いあったかい。
ちょっと子供を外気浴させたいけれどフル装備で寒さ対策をするのは面倒・・・というときにも、これで十分暖かいケースが多いのでかなり助かる。

抱っこ紐人気と共に、その事故も増えているようで、こういった便利なツールが怪我のもとになってしまっては元も子もないのだけれど、このような便利グッズのおかげで子育ての楽しさがアップするのも事実。
いろいろ試して楽しんでいきたいものです。

2014/10/24

喜多木ノ実展

母の友人の知人(正確には友人の旦那様の恩師のお嬢様、という遠い関係)が個展を開くというので、ご友人からわざわざお知らせが届く。
一緒に観に行きましょうよ、という母へのお誘い。
封書の中には、DMとその作家、喜多木ノ実さんを紹介した新聞記事も同封。

何気なくぱらっとその記事をみたのだけれど、結構好きなタッチの絵。
作家さんも普段はアメリカ在住の方で、小さい頃から絵は好きだったけれど、子育てなどもあり、ずいぶんと中断していたらしい。5年ほど前に再開したら、去年ボローニャ国際絵本原画展に入選。
このような遅咲きの経歴や墨で描いたシンプルだけど人物の特徴をよく表している輪郭がなんとなく気に入って、開催場所ガレリア原宿も近いことだし、お邪魔することにする。

子供を扱った題材が多く、墨で描いた画風からか、いわさきちひろの絵がモノトーン、かつシンプルになってダイナミックさを増した感じ。
竹でペンを作って、その先に墨をつけて描くらしい。
その作風からかお人柄か、画廊を訪れている人たちもちょっと年配の上品な感じの人たちの多いこと。

漫画家の高野文子が描く人物って、すごいシンプルな線でデフォルメされているのに、人の動きをよくとらえているなあ、と思う。特にるきさんとか。
それと同様に、喜多さんの絵もシンプルな線だけど、赤ちゃんの輪郭などをよくとらえていて、きっと今までなら赤ん坊の絵とかは全く興味を持たなかったと思うけど、実際今自分に赤子がいるからか、がぜん欲しくなる。
しかも普通に手の届く値段!

以前にSpace Yuiで安西水丸×和田誠展をやっていて、かなり気に入った絵があったのに10万円支払うべきかどうか迷っているうちに売れてしまって後悔しきりだった。
今回はそれよりかなりお手頃な値段で提供して下さっていて、後悔する前に購入を決意。
でも「僕のボール」という絵と「おねむ」という絵のどちらにすべきか決められず、次の日に戻ってくることを伝えていったん家に戻り旦那と相談。
シンプルな部屋が好みの旦那は絵の購入自体あまり興味なさそうだったけれど無視。

次の日に旦那と一緒に訪廊し、おねむに決定。
他にお客さんが少なかったこともあって喜多さんとしばらく歓談。
丁寧な物腰の感じのいい方。アメリカで過ごされていることもあり、他の絵と画風を差別化されるためにも竹の墨で描くことを始められた模様。
絵の購入を喜んでくださって、サインいり画集もプレゼントにいただく。
翌日が個展最終日だったのだけれど、かなり大型の強烈台風がくるということで不要不急の外出は控えるようテレビで繰り返し言われていた。
それもあって、「おそらく明日はお客さん誰もこないし、家は遠くて、いただいた胡蝶蘭も持って帰れないから、おうちが画廊から近いならぜひ持っていって」というお言葉。
ギャラリーに飾ってあった、大ぶりな株が3つもついた立派な胡蝶蘭。自分ではとても買えない。
喜んでいただくことにする
両手いっぱいに抱えるほどの大きい鉢だったけれど、えっちらおっちら抱えて歩く。
可愛らしい絵も買えて立派な胡蝶蘭ももらっちゃって何だかこちらが得した気分。

がちゃがちゃしちゃうからそんなに増やせないけど、絵はまた欲しいなあ。
同僚のboy friendがやっているバーで出会ったニューハーフの美女が描く油絵が好きで、そのブラックファンタジーな世界の絵を自宅の洗面室に飾りたかったのだけれど、その後お互いbarから遠ざかって残念に思っていたところだったから、リビングの絵ができて嬉しい。
まずは世界堂に額を買いに行かねば。



2014/10/04

君が僕の息子について教えてくれたこと

久しぶりに、あ〜、いい番組みたなあ、と思える番組に出会った。
たまたまテレビをつけたらやっていた再放送分だったけれど、今年の8月に放送されたものらしい。
NHKの「君が僕の息子について教えてくれたこと」
NHKのよさ、実力というものを久しぶりに再認識した番組。愚にもつかぬバラエティ番組ばかりあふれている中で、NHKももっと頑張ってこういう番組をどんどん作ってほしい。

Irelandの作家David Mitchell氏が上手に日本語を話すところから番組は始まる。
あれ、この人どうして日本語が話せるんだろう、と番組内容も分からず観ていたらすぐに引き込まれた。
Mitchellさんには自閉症の息子がいる。その息子への対応、コミュニケーションの難しさに悩み、息子に対してイライラすることもあったという。
そんな中で1冊の本に出会う。
自身も重度の自閉症である東田直樹による「自閉症の僕が跳びはねる理由」

自閉症は先天的な脳の機能障害であり、環境などによるものではない、ということすら今回初めて知ったわけだけれど、この障害のために認知やコミュニケーションが困難となる。そのため、自閉症児が自分の考えを人に伝えるのは通常難しいけれど、東田さんの場合は親や周りの協力もあって、努力の末、考えていることを 、ひらがなを羅列したボード版のようなものを使って指差しながら表すことが可能となった。ボード版の方が伝えやすいらしいのだけど、PCも使うことができるから、それらを使って13歳のときに東田さんが出したのがこの本。
自閉症児についての「どうしていきなり奇声をあげたりするの?」「どうしていきなり飛び跳ねたりするの?」といった聞きにくい質問などに対して、彼なりの率直な答えを述べてくれている。

日本で英語教師をしたこともあるMitchellさんは幸いにも日本語が読め(どうやら奥さんも日本人のよう)、この本を読んで、初めて自分の息子が東田さんの言葉を借りて自分に話しかけてくれた気がすると言っている。Godsendの本だとも。

これは広く世に知られるべき本として、翻訳版を出すことを決意し、翻訳家の奥さんとともに"The Reason I Jump"を出版。NewYorkTimesでもbestsellerになっているみたい。

番組では20歳になった東田さんとMitchellさんが日本で対面を果たし、また重度自閉症者には困難きわまりない空の長旅も耐えて、東田さんがNYで講演する様子も描かれている。 
東田さんはMitchellさんとの対面をすごく楽しみにしていたに関わらず、部屋に入った途端、Mitchellさんの方も見ず窓の方に駆け寄りずっと窓の外を眺めたまま。
しかしこれもMitchellさんは穏やかな顔で見守り、ひたすら待つ。息子で慣れているのもあるけれど、こういうのも、本のおかげで自閉症の人の気持ちが分かりやすくなり、ずっとpatientになれるという。
Mitchellさんがずっと聞きたかった質問の一つに「自閉症の息子に対して父親としてすべきこと、してほしいことは何か」がある。それに対して東田さんはたどたどしく、「そのままでいい」と答える。
東田さんの場合は、自分が自閉症でも、親がそのせいで犠牲になっている、ということを感じさせなかったのが有り難いと。
本の中でも、自分が自閉症により苦しむのは乗り越えられるが、それにより周りが苦しんでいる様子をみるのは耐えられない、と述べていた。

自閉症の子供をもつ様々な親の葛藤なども取り扱いながら、自閉症に対する誤解も減らせる番組。
周りに自閉症の人はいないけれど、理解を深めるために本を読みたくなった。
オリジナルの方でもいいけれど、Mitchellさんのintroductionを読みたいこともあり、また東田さん作の短編も最後についてくるようなので、The Reason I Jumpを購入。

60近い質問に対して分かりやすい言葉で答えが述べられている。
何度も同じことを繰り返し言ってしまうのも、すぐ聞いたことを忘れてしまう、というのもあるようだけど、口に馴染んでいる言いやすいフレーズをいいながらそのサウンドを楽しんでいる、というのもあるよう。
確かに相手の考えを推し量ることができると、接するこちらの態度も変わってこれるのかもしれません。
Mitchellさんの、emotional poverty and an aversion to company are not symptoms of autism but consequences of autismというのが印象的。