2008/01/20

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最近読んだうちでかなりお気に入りな一冊。
引き込まれて一気に読み上げた。

「風が強く吹いている」by三浦しをん。

三浦しをんは新潮社のyomyomに出しているエッセイくらいしか読んだことなかったけれど、同じ軽快な文章で小説も書き上げている。

弱小陸上部に属する大学生10人が箱根駅伝を目指すまでの道のりを描いた青春物語。今年の箱根駅伝の前に読むべきでした。色々想像が膨らんで絶対さらに観戦を面白くさせたはずなのに。箱根駅伝はテレビで観ているだけでも泣けるところを、それらを乗り越える心情、個人の想いなどが書いてあるのでかなり泣けます。
ジョギングなんて滅多にしない私でも走りたい気分にさせる。村上春樹の「走ることについて」は自分が走っている場合のことを事務的に書いている感じだったのであまり感情移入できなかったのだけど、今はちょっと皇居か神宮行きたいなあ。

男性同士の友情や仲間で一丸となって何かを成し遂げる一体感。こんな青春の形もあるんだなあ、と憧れをもたせると同時に自分のケースを振り返らせて苦味も加える効果。スポーツの形をとっての青春を楽しむことは運痴な私には無理そうな話ですが、青春というのは何か1つのことに情熱をもって打ち込むことであると思うので、たとえ青いと書いていてもどの年代にでも当てはまることのハズ。

でも時間の足りない社会人にとってはやはり仕事が一番身近な青春の形なのかなあ。大きなプロジェクトをやり遂げようが、日々の業務をきちんとやりこなそうが、どんなに打ち込んでもそれらはいまいち終わりのみえない期間に起きる出来事のたった1つであるのでちょっと釈然としない部分もあるのだけれど。

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